「転倒」というのは、70歳以上の健康な高齢者でも1年間に約20% が経験するという報告があるようです。つまり、高齢者にとって転倒は決してめずらしい事象ではなく、それは屋内ばかりでなく外出時でも想定されることと言えるでしょう。さらに、転倒によって歯を折ったり、骨折をしてしまったりするなど健康寿命を縮める要因とも考えられ、最悪の場合、ちょっとした転倒が要介護状態に陥る原因となってしまう危険もあるようです。

転倒する理由は、老化による筋力・バランス力の低下さらに段差や障害物に対しての視力低下などが考えられます。また、単に老化での身体能力低下だけでなく、疾患群(心血管疾患、神経疾患、筋骨格疾患など)があげられるでしょう。

高齢者の易転倒性は、開眼片足立ち時間などによって評価が可能で、その結果によって転倒予防介入策があるようです。介入策の具体例としては、「運動介入」「ビタミンDの積極的摂取」「薬剤調整」などの方法があげられるようです。薬剤数が5種類以上に増加してしまうとと転倒リスクが増加するという報告もあり、いくつも薬を服用している人にとっては、薬剤の見直しを行うことがすすめられ、減薬が可能かどうかを検討することが必要と言えるでしょう。医師の働き方というものも変化しつつある現代ですが、非常勤のように医師のアルバイトをしているといった方々も、薬剤師とうまく連携を取って、より管理しやすい服薬方法を見出していくことも重要ではないでしょうか。体のために服用している薬が原因で転倒し、寝たきりになってしまっては元も子もありません。医師を目指す若い人たちの研究が、今後の超高齢化社会を明るく導いてくれることを祈るばかりです。