とある2人目不妊の治療に当たっている医師の見解によれば、2人目不妊の原因は個人的なものよりも、社会構造によるものである場合が多いということです。つまり医学的な治療と共に、2人目不妊を生み出している社会的背景をきちんと踏まえなければ、患者はますます増え続けるだろうと言うのです。

社会的背景という抽象的なテーマともなると、原因が複雑に絡み合っていることが想像できます。例えば、夫婦の行動が変われば子どもを自然に授かることも多いのは、社会的制約で行動が縛られていたことを意味するのかもしれません。実際、男女共同参画局の調査によれば、夫が家事や1人目の子どもの育児に積極的に関わっている夫婦は、無事に第2子を授かっている傾向が強いそうです。これは、夫のそうした行動により妻のストレスが和らげられたからだという見方もできます。掃除、洗濯、料理は大変な仕事であり、不妊治療の期間であっても育児は休まず行わなければなりません。

妻にその全てを押し付けている家庭では、子どもが生まれにくい原因がそこに集約されている可能性があります。夫が家事や育児に携わるためには、「会社で働いているから育児は免除される」という古い考え方から卒業する必要があるのかもしれません。この考え方は21世紀現在も根強く残っており、正に社会構造の変革が求められます。社会的背景というテーマから原因を探れば、当然「晩婚化」も重要な因子といえるかもしれません。初婚年齢の上昇も2人目不妊症に影響しやすいそうです。生物学的に、高齢になるほど妊娠しにくくなるらしいのです。何故晩婚化が進んだのでしょうか。晩婚化が問題だと言われ始めたのは、少子化の問題がクローズアップされてからであり、それまで晩婚化はむしろ歓迎されていたそうです。何故なら、女性の社会進出の結果生じていた現象だからです。それでも少子化を食い止めるためには、子育てと労働との両立が可能な社会にできるとよいでしょう。

もしストレスの原因のなかに不妊治療に関する不安が含まれる場合は迷わずお医者さんに相談することをおすすめします。

不妊治療の期間中も女性が感じるストレスを軽減させることができれば、二人目不妊の改善も期待できるかもしれません。