契約書

自費出版がしたいと考えて、各社見積りを取り、ある程度金額が折り合った場合、いよいよ契約取り交わしとなります。ここでの注意すべき点を書いてみましょう。最初に、なかなか契約書作成に消極的な業者さんだった場合は、再度依頼先を考え直した方がいいかもしれません。それ程、契約書の取り交わしというのは、双方にとって後々トラブルにならないための大事な行為であるからです。通常の書店で並んでいる商業出版された本の場合、著作者と出版社の間で詳細な権利義務関係に関して取り交わされているものです。一方、自費出版となると、どうしても著作者が業者に対してする“請負契約”という形をとるため、その内容が出版に関しては、プロとなる業者さんに依存する傾向は否めません。可能であれば、参考となるような契約書サンプルを入手し、依頼する側もある程度の知識を持って臨む必要があります。少なくとも、契約書なしで事を進めていくのは、非常に危険であると心得ておくべきでしょう。一例をあげると、「追加料金」に対する取り決めです。この条項を盛り込んでおくのは、必須です。何もなければ問題ありませんが、追加をお願いしなければならない、ということが発生した場合、取り扱いについて契約書で明記されているのといないのでは、後々のトラブル発生に大きく関係してきます。少なくとも、出版に詳しい業者さんの方から、追加となりそうな事態が発生した場合は、出版に関しては素人同然の依頼者へその旨伝え実施するかどうかお互い同意のもと行う、というような一文を加えておくべきです。逆に、盛り込まれた契約書を作ってくる業者さんであれば、ひとまずは良心的な業者さんである、と判断できるポイントにもなります。いずれにしても、本の原稿作成等は、依頼者サイドで進められることですが、契約書作成以降は、両者の意思疎通がいかにできているかどうかに係ってきます。大変でしょうが、できるだけ“話し合いの内容”とか、“調べた事”など忘れないようメモしておく位の事は、心掛けておくべきではないでしょうか。